【体験レポート】無重力簡易実験を終えて

20年以上前、テレビ番組で無重力体験の映像を見て、それ以来ずっと憧れていた無重力の世界を、まさか自分が体験できるとは夢にも思っていませんでした。
迎えた実験当日は寒冷前線の影響による荒れ模様の天候で、飛べるのだろうかと思いながら名古屋空港へ向かい、迎えに来てくださったDASさんの車で構内へ。
そこでなんとパイロットの方が同乗!天候のことなど忘れて一気に気分が盛り上がってしまいました。

飛行前のオリエンテーションで実験内容の説明をしたのですが、他の皆さんはとても楽しい実験を用意されていて、もう少し何か準備しておけばよかったなと思いましたし、リピーターの方や宇宙旅行に申し込まれた方がおみえになったのは驚きました。
寒冷前線の通過が早くなり、飛行前のブリーフィングも予定通り行われ、いよいよ無重力の世界へ。

小型の飛行機は結構揺れると思っていましたが、実験機のガルフストリームⅡは大型旅客機より乗り心地がよく快適です。水が使えないのでトイレは使用禁止と説明があり、なるほどと思ってしまいました。
1回目のパラボリックフライトは、自分の体をコントロールできる自信がなかったので、シートベルトを緩めに締めてその時を待つことに。

30秒前のコール後しばらくして1.8Gの加重力に襲われ、何をするのも筋力不足といった感じで、これは絶叫マシンでも体感した事はありません。
耐えていると突然重力から解放され、代わりに強烈な浮遊感がやってきて、体がふわーっと空中に浮き上がりました。浮く瞬間の感覚は絶叫マシンと同じですが、無重力は1回あたり20秒もありますし、シートベルトをはずして手放しで浮いていると、自分の体が空中に浮かんでいるという事をはっきりと実感でき、とても気持ちよくて楽しいです。シートを拠りどころにすれば、けっこう簡単に自分の体をコントロールできます。

3回目と6回目~8回目の計4回、フリーエリアで浮遊する事が出来ましたが、一度体を動かすと上下がわからなくなり、体の向きを変えるために機体の壁を押すと、機体のほうが逃げていくような感覚になって楽しいのですが、宇宙飛行士は大変だろうと思いました。
私が持ち込んだ実験「絡まりやすくなったヘッドホンは無重力で絡まるのか」は見事に絡まって大成功でした。「目をつむると気持ちがいい(某飛行士談)」はハイテンションだったためよくわかりませんでしたし、「フィギュアスケートのスピンの動き」と「床だと思ったほうが床になるのか」は、前途の浮遊感覚によりうまく動くことができませんでした。
月の引力も体験できましたが、約0.17Gでも手は浮き上がりますし、うまく飛び跳ねる事ができませんでしたが、とても不思議な感覚でした。
みなさん酔いましたが、フライト後の懇談会では食事を完食してしまいましたね。

最後に、楽しい思い出を準備してくださった関係各位、そしてタフで楽しい同乗者の仲間に感謝します。

BK様