2017年度の始まりは”宮崎→鹿児島”と南の地域が連続しました。これは互いに連携することで効率化を求めた結果です。両館の開催時期の間に他の開催計画がないため、宮崎で終了した展示物を東京へ戻さず、鹿児島が開催時期まで自らの施設で保管するという初の試みを実践しました。これによって東京往復分の輸送費の一部が削減され両館にとって大きなメリットになりました。東京を起点すると九州や北海道は輸送費の負担が大きくなることを考慮して、今後も開催計画の調整に合わせて積極的に効率化の提案を行っていきます。
提供メニューに関するトピックとしては、京都大学から研究を終えた無人探査機「ルナ」が地球に持ち帰った全号機分(16号、20号、24号)の月の砂の提供を受け、目玉の展示の一つとして提供を開始しました。これまでは展示に向かないロシア製の容器に入った1号機分(24号)の砂を提供していましたが、今回は綿棒のような白い棒の表面に付着した細かい砂粒を肉眼でも容易に確認することできます。
2017年度はたくさんのリクエストに応えるため、主催者の要望や開催場所の環境等に合わせて中身も構築できる「アポロ展」の特徴を活かして、計5件の展示会を支援しました。来場者の合計は7万8千人を超え、各主催者からは予想を超える結果に大変ご満足いただけました。
2017年度の実績(開催順)は、以下の通りです。
宮崎科学技術館 (宮崎市)
開館30周年記念事業「アポロ展」
会 期:2017年4月29日~5月28日 (26日間)休館日4日間
会 場:多目的ホール(約200m²)、常設展示スペース(約70m²)
来場者数:11,053人
主 催:公益財団法人宮崎文化振興協会 宮崎科学技術館
トピック:開館30周年記念事業。特別展来場者数の最高記録を更新
鹿児島市立科学館(鹿児島市)
「アポロ展 ~人類月に立つ! ~」
会 期:2017年8月2日~8月31日 (26日間)休館日4日間
会 場:企画展示室(約160m²)
来場者数:22,911人
主 催:公益財団法人 かごしま教育文化振興財団
トピック:近隣の宮崎科学技術館と連携した開催を試行
明石市立天文科学館(兵庫県明石市)
「人類の挑戦~宇宙開発とアポロ展~」
会 期:2017年10月21日~11月26日(22日間)休館日6日間
会 場:企画展示室(約50m²)
来場者数:12,695人
主 催:明石市
トピック:京都大学で研究済みのルナ月の砂全号機分を初公開
東邦大学付属東邦中高等学校 (千葉県習志野市)
「国際宇宙ステーション(ISS)リアルタイム交信イベント」
会 期:2018年2月16日(1日間)
会 場:体育館特設展示スペース(約100m²)
来場者数:約1,600人
主 催:金井宣茂宇宙飛行士プロジェクト実行委員会
トピック:目玉展示を含む最小パッケージ
岐阜かかみがはら航空宇宙博物館 (岐阜県各務原市)
「岐阜かかみがはら航空宇宙博物館オープニングイベント-月への挑戦 アポロ・ルナ展-」
会 期:2018年3月24日~31日 (8日間)
会 場:2階特設展示スペース(約100m²)
来場者数:30,198人
主 催:岐阜県
トピック:リニューアルオープン記念事業