島根県立三瓶自然館 夏の特別企画展

島根県立三瓶自然館夏の特別企画展201905

別館2階企画展示室の月の石・砂の展示風景(提供:島根県立三瓶自然館)

島根県立三瓶自然館(島根県大田市)が開催した2019年度夏の特別企画展で日本宇宙フォーラムオリジナル展示企画「アポロ展」をご活用戴きました。
2019年はアポロ11号による人類初の月面着陸から50年の節目です。日本宇宙フォーラム「アポロ展」に全国各地から沢山のご希望が寄せられる中、夏の展示を実現したのは三瓶自然館でした。同館は、日本宇宙フォーラムがまだ「アポロ展」を準備中だった2014年からご希望を寄せていただいた唯一の博物館でした。

展示の準備を進めるにあたっては、館内に編成されたプロジェクトチームが中心となり、日本宇宙フォーラムの「アポロ展」をベースに同館独自のアイディアや要望も取り入れた企画内容の検討、実施計画が取りまとめられました。

よく知っているようで、実はまだまだ謎の多い「月」の秘密を大公開!月探査の歴史や将来計画などについて最新の情報を紹介する他、月から持ち帰った実物の「月の石」や「月の砂」、南極で発見された「月由来の隕石」など貴重な資料も多数展示しました。また、展示内容に合わせた映像放映や多数のワークショップを実施した他、エントランスホールには約100点の世界のロケットペーパークラフトや未来型月面車の模型が特別企画展の象徴展示として来館者をお迎えしました。
この展示会で、JSFは「アポロ展」の企画をベースに企画立案から製作・設営までの作業を担当し開催を支援しました。

島根県立三瓶自然館夏の特別企画展201904

1階ロビーの世界のロケットペーパークラフトの展示風景(提供:島根県立三瓶自然館)

実施概要

テーマ:ボーっと眺めてたら叱られる!今こそ知りたい月のなぞ~アポロ月着陸から50年~
展示構成:
・ゾーン1『地球から見た月』
・ゾーン2『月への挑戦』
・ゾーン3『月につきました』
・ゾーン4『月のサイエンス』
・ゾーン5『宇宙探査と未来の月』
イベント構成:
・ギャラリートーク『世界のロケットペーパークラフト』
・ロケット打ち上げ音響体験 他

実施結果

話題性満点の時期に開催された今回の特別企画展は、地元大田市や近隣の地域からたくさんの来館者を得て賑わいました。多くの視点から月を知り考えることができ、子供から大人までが楽しめるここにしかない内容に仕上がりました。来館者とのコミュニケーションの機会やSNS、館が行ったアンケートの結果や報道の状況から、特別企画展に対する高い評価が確認できました。
月の石を目的に来られたグループの方々からは『万博のリベンジではるばるやって来ました!万博と同じ石?』との有難いお言葉とご質問をいただきました。ここでも万博を知る世代は全国各地から足を運んでいただいたようです。万博で展示された石とは異なることを伝えると少し拍子抜けしたようでしたが、その後も目に焼き付けるように、順番にゆっくりとご覧になっていました。このように月の石を目的に比較的年齢層の高いグループの来館は事前の予想をはるかに超えたようです。
月面に降り立つ宇宙飛行士の映像をご覧になっていた方からは『50年前に月へ行ったなんて未だに信じられない。月に降り立つ瞬間は学校で観てたんだ!』と当時を懐かしむように教えてくださいました。映像を観ながら一緒に来られたお孫さんとの会話が盛り上がっていたのがとても印象的でした。これは「アポロ展」のコンセプトそのものと言えます。
残念ながら、会期途中で追加展示したアポロ16号月の石は、展示容器に不具合が生じ会期末を待たずに修理のためNASAへ戻すことになりました。

月  日:2019年7月13日~9月29日(75日間)休館日5日間
会  場:島根県立三瓶自然館 本館1階展示室(127m²)・別館2階企画展示室(145m²)・回廊・エントランスホール
対  象:一般
来場者数:41,182人
主  催:島根県立三瓶自然館、公益財団法人しまね自然と環境財団
共  催:山陰中央新報社、中国新聞社、日本宇宙フォーラム
展示協力:NASA、日本宇宙フォーラム、ロシア科学アカデミー、島根県立しまね海洋館他
後  援:島根県教育委員会、大田市教育委員会、NHK松江放送局他
関連サイト:https://www.nature-sanbe.jp/sahimel/event/event-calendar/past-events.html