いわき市石炭・化石館(福島県)で開催された2019年度春・秋の特別展で日本宇宙フォーラムオリジナル展示企画「アポロ展」をご活用戴きました。
常磐炭田の採炭の歴史と、市内で発掘された化石などを展示する同館では、開館35周年の記念事業として初めて「宇宙」をテーマにした特別展を開催しました。2019年は世界中を驚嘆の渦に巻き込んだアポロ11号による人類初の月着陸からちょうど50年という話題性の高まる時期を捉え、日本宇宙フォーラム「アポロ展」の企画を採用戴きました。企画作業の開始にあたっては、館ご担当者から日本宇宙フォーラムが「アポロ展」で提供する全ての内容を特別展で実現したいとの強い意向が示される一方、展示スペースの関係で全ての内容を一度に配置するのが難しいという問題に直面しました。結果、館ご担当者の熱意が後押しをして、「アポロ展」の運用開始以来、初となる2回開催(春・秋)が実現しました。
春の特別展では、月の石・砂を目玉に据え、人類が月を目指して挑戦してきた歴史を中心に構成しました。また、展示の内容に合わせた講演会や子供向けのワークショップなど参加して楽しみながら学べる企画も用意しました。
今回の展示会で、日本宇宙フォーラムは「アポロ展」をベースにした企画立案から製作・設営までの作業を担当し開催を支援しました。さらにイベントについても講師として運営の一部を支援しました。
実施概要
テーマ:アポロ展Ⅰ―ライト・スタッフたちの月への挑戦―
展示構成:
・ゾーン1『月への挑戦!』~月競争の壮大なドラマ~
・ゾーン2『月の石・砂!』~人類が手にした星のかけら~
・ゾーン3『宇宙開発最前線!』~ここがスゴイぞ!日本の宇宙開発~
イベント構成:
・講演会(2回)『月の科学の最前線』、『ふたたび月をめざして!』
・ワークショップ(2回)『ペンシルロケットをつくろう!』、『アポロ月着陸船をつくろう!』
実施結果
いわき市石炭・化石館で開催される初の「宇宙」をテーマにした特別展ということもあり、地元いわき市を中心に会場は毎日たくさんの来館者で賑わいました。多くの方が初めて接する「宇宙」の話題をとても新鮮に受け止め、驚きを持ちながら興味深くご覧になっていたのが印象的でした。『50年前に月へ行ったなんて信じられないね!』『チャレンジすることは大切ですね。元気をもらいました!』『月の石っておいくら?』などの率直な感想や疑問が飛び交いました。同館は地域の観光資源でもあり、主に関東圏からの観光ツアー客が立ち寄ることから、ご覧になった方々の口コミ等により広く関東圏からの来場・再来にもつながったようです。目玉展示の「月の石」は大阪万博で展示された印象が強く、当時を知り興味をお持ちの方は、他で開催された「アポロ展」と同様に全国から足を運んでいただいたようです。
春の展示をご覧になった方々からは秋の展示を期待する声が多く寄せられ、秋に向けて館の機運もますます高まりを見せたようです。その結果、終了後も館内に展示スペースを確保し、春の展示で使ったパネルの一部などを再利用して掲示、秋の開催までの間も「宇宙」の話題が継続して発信できるよう工夫をいただきました。
ゴールデンウィークを含んだ春のアポロ展は、これまで同館が開催してきた特別展来場者数の最高記録を更新しました。
月 日:2019年4月13日~5月26日(44日間)休館日1日間
会 場:いわき市石炭・化石館
対 象:一般
来場者数:19,212人
主 催:いわき市石炭・化石館
展示協力:NASA、日本宇宙フォーラム、ロシア科学アカデミー
関連サイト:https://www.sekitankasekikan.or.jp/event/2091.html