朗読劇『広島空港の奇妙な恐竜』

朗読『広島空港の奇妙な恐竜』

一年前の今頃、みなさんは、何をしていましたか?
第一回緊急事態宣言を受け、当時、担当していたイベントは全て中止となり、私は先の見えない「暗闇」の中にいました。「不要不急の外出を避けるように」何度もこのフレーズが頭の中を駆け巡っていました。正体の分からない敵と戦うことの怖さや辛さ、私の仕事は不要不急なのかと虚しさを感じる毎日が続いていました。

みなさんは、どんな時に楽しいと感じますか?
私は辛い時には、何か楽しいこと、楽しかったことを考えるようにしています。「美味しいものを食べる・呑む」。これは私には楽しいことですが、「心に栄養」を補給することが、私には楽しいことだったと、何度も思う一年でした。

私の心の栄養の一つは、「観劇」です。「夢の劇場」と言われた方がいますが、舞台も客席もホワイエも全部含めて「夢の劇場」で、そこに居ることが、私は楽しいのです。舞台上の俳優さんやそれを支えるスタッフさん達と、その日偶然一緒になった観客達と、ホワイエで観客を迎えている人達と「つながった」と感じる瞬間が、たまらなく楽しいのです。

「ジョン王」の公演中止。寂しすぎる。(彩の国さいたま芸術劇場で行われるはずだった吉田鋼太郎さん演出作品)「欲望のみ」も中止となりました。(下北沢 本多劇場で行われるはずだったケラリーノ・サンドロヴィッチさん演出作品)私の手帳には、こんな書き込みでいっぱいの一年でした。その度、心に穴が開いていく日々が続きました。

みなさんは、プレゼントを見つけることは得意ですか?
朗読劇『広島空港の奇妙な恐竜』(全5回)は、広島空港で行われる夏イベントが中止になった時、広島空港とオンラインでつないで、子供も大人も楽しいと思える瞬間があればと企画をしたものです。広島空港の滑走路で、奇妙な恐竜と遭遇したら…

かわいいファンタジーの世界ですが、その中に、たくさんのプレゼントを隠してみました。広島空港で働く人たちから、脚本家から、俳優から、録音スタッフ・編集スタッフからのプレゼントをたくさん!一人でもいいので、そのプレゼントを見つけて、私たちとつながって欲しいと、みんなで制作しました。

今も東京は、3回目の緊急事態宣言が続いています。
コロナは、まだまだ、私達の心に小さな、時には大きな穴を開けていきます。でも、生きていればプレゼントは発見できます。私はそう信じています。

生き抜きましょう。たくさんプレゼントを発見しましょう。私もこの作品を制作していく中で、「誰かとつながることはコロナに負けない秘策」というプレゼントを発見しました。

みなさんは、誰かとつながっていますか。
朗読劇『広島空港の奇妙な恐竜』で私達とつながりませんか。

画像:https://www.hij.airport.jp/special/dinosaur2020/recitation.html

林田 真紀子

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